Vegetarian Research−Abstract


Vegetarian Research Vol. 10 (2009)

[翻訳] ADAレポート ベジタリアン食に関するアメリカ・カナダ栄養士会の見解(2003)

仲本 桂子・清水 克博・深田 あすか(訳)
Vegetarian Research Vol. 10, 1-20 (2009).

適切に用意されたベジタリアン食は、健康的かつ栄養を満たしており、また特定の病気の予防や治療に有益に働く、というのが、アメリカ、カナダ栄養士会の立場です。アメリカではおよそ2.5%、そしてカナダではおよそ4%の成人がベジタリアン食を摂っています。ベジタリアン食、というのは肉類、魚類や鳥類を含まない食事、と定義されています。ベジタリアニズムへの関心は高まってきており、多くのレストランや学生食堂などでは日常的にベジタリアン食を提供しています。
ベジタリアンにとって魅力的な食品もかなり多く販売されるようになり、そのような食品は多くのスーパーマーケットなどでも見受けられるようになりました。
この論文では、ベジタリアンにとって鍵となる栄養素に関する近年の科学的な研究結果を検討しています。これらの栄養素とは、たんぱく質、鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB-2(リボフラビン)、ビタミンB-12、ビタミンA、n-3脂肪酸やヨウ素を包含しています。ビーガンも含めてベジタリアン食は、これら全栄養素の最新の推奨量を満たすことができます。それぞれの栄養素を満たすために、栄養強化食品やサプリメントを摂取することが有用な場合もあります。入念に献立されたビーガン、その他のベジタリアン食は、妊娠期、授乳期、乳幼児期、学童期、思春期を含めて、全てのライフサイクルに適切です。
ベジタリアン食には数多くの栄養的利点があります。炭水化物、食物繊維、マグネシウム、カリウム、葉酸、さらにビタミンCやビタミンE、ファイトケミカルのような抗酸化物質を多く含むと同時に、飽和脂肪、コレステロールや動物性たんぱく質をほとんど含んでいないという利点があります。ベジタリアンは、非ベジタリアンよりもBMI値が低く、そして虚血性心疾患による死亡率が低いと報告されています。またベジタリアンは、血中コレステロール値や血圧も低く、高血圧症やII型糖尿病および前立腺がんや大腸がんにかかる率も低いことが示されています。
ただ、多くの政府や団体による給食プログラム事業は、ベジタリアンには対応できますが、現時点では、ビーガンに対する食事としては適切ではありません。現在、ベジタリアンの間でも様々な食事方法がなされているので、それぞれについての栄養的な評価が必要です。栄養学の専門家は、これらベジタリアン食を実践することに興味を持った人に対して支援し、奨励をする責任を担っています。専門家たちは、特定の栄養の供給源や、食料の購入および調理、そして個々人の必要を満たすために欠かせない食事の工夫に関して、一般のベジタリアンを教育する上で、重要な役割を果たすことができます。ベジタリアンの献立は、食物群やサービングサイズ(1食分)を具体的に示したフードガイドを利用すれば、容易にできます。

【見解声明】
適切に献立されたベジタリアン食は、健康的で栄養的にも十分であり、さらに特定の疾患の予防と治療に有益であるというのが、アメリカ・カナダ栄養士会の見解です。


*三育フーズ株式会社


某病院職員におけるベジタリアンダイエットと臨床データ・自覚的体調との関連性

嵐 雅子*・橋詰 直孝・岩井 達・渡辺 満利子
Vegetarian Research Vol. 10, 21-31 (2009)

研究目的:本研究は某病院職員を対象として、VDと臨床データ、及び自覚的体調との関連性の検討を目的とした。
研究方法:職場の食堂でVDを昼食、夕食に摂取する東京都内某病院職員238名(男性66名、女 性172名)を対象に、2004年、@食物摂取頻度調査、A自覚的体調調査、B排便習慣調査を実施し、臨床検査データは健診結果を受けた。肉・魚類摂取低値群(A 群)、同高値群(B群)の2群に分け、2群間の相違を検討し、有意水準は両側5%とした。食品摂取構造の検討には因子分析を用いた。
研究結果:因子分析の結果、食品摂取構造を形成する 第一因子は植物性因子、第二因子は動物性因子、 第三因子は主食因子が抽出された。A群、B群に おける植物性・動物性・主食因子の多重比較分析 の結果、両群間で有意な差がみられたのは動物性 因子であることを認めた(p<0.001)。A群、B群ともに体調良好群では、植物性因子得点はA群0.262に対し、B群は0.031であり、A群がB群に比し高値であった。また両群ともに体調不良群に比べ植物性食品の因子得点は高値であることが認められた。一方、B群では、動物性食品因子得点は体調良好群0.133に対し、同不良群0.240を示し、体調不良群では動物性食品因子得点が高値であることが認められた。
結論:本研究を行い、動物性食品の摂取が少なく、植物性食品が高いベジタリアンダイエット群では自覚的体調が良好であることが認められた。

*東京衛生病院


女子短期大学生における野菜摂取に関する実態調査

佐藤 ななえ*・澤田 孝子・笹田 陽子
Vegetarian Research Vol. 10, 33−37 (2009).

健康日本21の中間評価で摂取不足が顕著であった若年層の摂取実態を明らかにするため、女子短期大学生の野菜摂取実態を調査し、有効な改善方策を検討した。その結果、対象者の1日あたりの野菜の平均摂取量は148.6±103.2gと極めて少なかった。食事毎では、夕食、昼食、朝食の順で多かった(p < 0.05)。汁物摂取の有無別では「汁物あり」群の摂取量が有意に多かった(p < 0.05)。また、朝食の「汁物あり」群の摂取量が有意に多かった(p < 0.05)。以上のことから、対象者の野菜摂取不足は極めて深刻であり、野菜摂取量増加への取り組みは急務であることが確認された。さらに、朝食と汁物に焦点を当てたアプローチが摂取量増加に有効であることが示唆された。

*盛岡大学栄養科学部


栽培方法が異なる市販バナナの追熟ならびに生理・化学的特性の解明

阿部一博*・笹本真季子・山下祐加・小菅亜希子・芝原広恵・塩崎修志・島 昭二・阿知波信夫

Vegetarian Research Vol. 10, 39−44 (2009).

現在、食の安全性が重要視される中で、有機農産物は農薬や化学合成肥料を使用しない安全な食材としてニーズが高まってきている。しかし、当研究室では有機栽培ニンジンには慣行栽培のニンジンより一般生菌が多く存在するということを明らかにし、一方で、エチレン処理を行っていないバナナ切片の追熟過程において一般生菌が関与することを示唆している。 本研究では、日常的に食する機会が多く、最近ではバナナダイエットで注目され、消費量が増加しているバナナの中で栽培方法が異なるものを用いてグリーンチップの状態から過熟状態までの追熟と微生物の関連性を明らかにしたので報告する。
外観の変化は、過熟状態までは有機栽培バナナが早く進行し、シュガースポットも有機栽培バナナで多くみられた。一般生菌は果肉では0日目には菌は検出されなかったが、4日目には検出されるようになり、有機栽培バナナで菌密度が高かった。果皮では0日目に有機栽培バナナで菌密度が高く、その増加速度も有機栽培バナナが上回った。また、異なる形状のコロニーが有機栽培バナナで多くみられた。 追熟中、果肉の甘味と渋味には栽培方法による明確な違いはみられなかった。アルコール不溶性物質量は両バナナとも減少したが、栽培方法による差はみられなかった。 また、糖含量は貯蔵中に増加したが、栽培方法による明確な差はみられなかった。 生理活性の指標として二酸化炭素排出量とエチレン生成量の測定を行ったところ、二酸化炭素排出量は有機栽培バナナで多く、エチレンも有機栽培バナナで生成量が多かった。 また、70%エタノールを用いて殺菌したバナナと特に何も処理を行わないバナナで比較を行ったところ、殺菌したバナナで追熟が遅れる傾向があった。 これらのことから、バナナの追熟には微生物密度が関係しており、有機栽培バナナでは、微生物密度が高いことから生理活性が高くなり、その結果として追熟が早く進む可能性を明らかにした。

*大阪府立大学大学院生命環境科学研究科


エディブルフラワーならびに装飾用の花と葉物の微生物的安全性に関する研究

阿部 一博*・山下 祐加・小菅 亜希子・芝原 広恵・笹本 真季子・塩崎 修志・島 昭二・下山 亜美・岡井 康二・阿知波 信夫
Vegetarian Research Vol. 10, 45−49 (2009)

サラダや刺身等の生ものに添えられているエディブルフラワーや葉物には、微生物が存在しており、これらは腐敗や食中毒の原因となり、食の安全性に関わっていると考えられる。そこで、市場に多く流通しているキク、エディブルフラワー、花菜類ならびに葉物の生菌数を調べた。市販のキクについて調べたが、キクの生菌数は産地や栽培方法によってばらつきがあった。そこで、収穫した直後のキクの生菌数を測定すると市販と同じようにばらつきがあったことから、キクの生菌数は産地や栽培方法に由来すると考えられた。市販の装飾用ならびに生食用の花10種類の生菌数を調べた。キンギョソウやバラは比較的生菌数が少なかったが、その他のナデシコやアジサイ等では約107の生菌が存在した。食べる機会が多い花菜類の生菌数も調べた。穂ジソの生菌数は106〜107で、フキノトウは葉と花でおよそ1000倍の違いがあった。同じ花菜類のナノハナやブロッコリーは105〜108で微生物密度が高かった。葉物は花に比べて生菌数が少なかった。モミジは105〜106であったが、ナンテンやササの生菌数は0〜105で比較的微生物密度が低かった。装飾あるいは生食用のエディブルフラワーや葉物には、微生物が存在するものが多いので、サラダや前菜ならびに生食用の動物性食品の横に添える時には微生物に注意が必要であるが、強酸性電解水によって微生物密度を低下させることが可能であることを明らかにした。

*大阪府立大学大学院生命環境科学研究科


菜食が血清葉酸濃度に及ぼす影響

樋口 寿*・奥田 豊子・小切間 美保・小畑 ゆかり・ 井奥 加奈
Vegetarian Research Vol. 10, 51-58 (2009)

本研究は血清葉酸濃度に影響する食事因子について検討した。菜食療法を実践している中高年の菜食者42名と平均的な食事をしている中高年の非菜食者88名を対象とした。菜食は、医師の指示のもとで主に玄米粉、緑黄色野菜、豆腐であった。血清葉酸濃度は化学発光免疫測定法で測定した。血清葉酸濃度は菜食者(14.8ng/ml)が非菜食者(10.3ng/ml)より高かったが、葉酸の摂取量(菜食者396μg,非菜食者376μg)には差がなかった。体格・体組成・血圧、血液性状、栄養素等摂取量および食品群別摂取量を因子分析し、9つの因子についてパス解析を行った。血清葉酸濃度に直接影響する因子として、「緑黄色野菜」「血清タンパク質」「ビタミン・ミネラル」が正の関連、「動物性食品栄養素」は負の関連が認められた。「豆類」は血清葉酸濃度に間接的に影響を与えていた。これらの因子が血清葉酸濃度を説明する程度は34%であった。これらの調査結果は、菜食が血清葉酸濃度を直接または間接的に増加させて、血漿ホモシステインを低下させ、心血管疾患の危険性が減少することを示唆している。

*近畿大学農学部


Vegetarian Research Vol. 9 (2008)


'天王寺'カブ3系統の抽台に伴う生育ならびに根部糖含量の変化

嘉悦佳子*・山崎基嘉・高井雄一郎・阿部一博
Vegetarian Research Vol.9, 1-6 (2008)

'天王寺'カブは、収穫適期から収穫が遅れるにつれ、花茎が伸長した。根部重量および直径は変化しないものの、最大葉長が高まり、総重量が増加した。これは、野沢菜も同様の傾向であった。すなわち、収穫適期後、根は肥大せず、花茎や葉が伸長することによって、植物体自体の総重量が増加していた。また、収穫適期後、花茎が伸長するにつれて、グルコース、フルクトースおよびスクロースの各糖で減少傾向があった。従って、収穫適期以降の花茎の伸長は、根に存在するスクロースなどの糖類がエネルギー源として使われた可能性が考えられた。また、これらの糖含量の減少は、野沢菜に比べて'天王寺'カブの方が著しく、'天王寺'カブは、野沢菜以上に根のエネルギーを花茎の伸長に使っている可能性も考えられた。したがって、'天王寺'カブの品質には、収穫適期に適切に収穫することが重要であると考えられた。

*大阪府環境農林水産総合研究所


日本人中高年菜食者の栄養状態の特徴

仲本桂子*・渡邉早苗・工藤秀機・田中明
Vegetarian Research Vol. 9, 7-16 (2008)

目的:菜食が健康に有益である可能性が高いにも関わらず、日本人菜食者に関する研究は少ない。そこで、非菜食者との比較より日本人菜食者の栄養状態を調査した。 研究方法:75人の中高年日本人菜食者(男性20人、女性44人)と比較対象として年齢・性別がマッチした98人の中高年日本人非菜食者(男性80人、女性18人)を被験者とし、栄養素摂取量、身体・血液成績を調査した横断研究を実施した。 結果:男性において、菜食者は非菜食者と比較してカルシウム、鉄(p<0.001)、食物繊維(p<0.01)が有意に高値で、ビタミンD(p<0.05)、ビタミンB12、コレステロール、動物性脂肪、魚介類脂肪の摂取量、動物性たんぱく質比(p<0.01)が有意に低値だった。また、菜食者男性は血清総コレステロール(p<0.05)、体格指数(BMI)、血圧、AST、ALT、血清中性脂肪(TG)(p<0.01)が有意に低値だった。女性において、菜食者は非菜食者と比較して収縮期血圧とTG(p<0.05)が有意に低値だった。 結論:菜食者は非菜食者と比較して、ビタミンDとビタミンB12の摂取量が有意に低値であったこと以外は生活習慣病予防の観点から良い栄養状態であった。

*三育フーズ株式会社


Vegetarian Research Vol. 8 (2007)


アメリカ型菜食の生活習慣病予防効果

土田 満*
Vegetarian Research Vol. 8, 1-6 (2007)

この論文では、菜食がごく普通の選択肢として市民権を得ているアメリカの菜食の現状、 ベジタリアン人口の増加に寄与した要因、アメリカでの菜食の歴史、アメリカ型菜食の方法、 アメリカ型菜食の栄養素の特徴、そして、生活習慣病予防効果を報告する数多くの研究結果について 報告する。 アメリカでは一般的な肉食の食生活と明確に対峙する菜食を常とするベジタリアンにおける 生活習慣病の予防効果が多くの疫学調査研究により明らかにされている。 菜食とそれ程対峙する食事ではなく、世界の長寿国を誇るわが国においても 菜食による生活習慣予防効果がありとする研究がみられる。今後の研究成果が待たれる。

*愛知みずほ大学大学院


強アルカリ性電解水散布による稲作の収量と米の品質に及ぼす影響

阿部一博*・上田知弘・佐能正剛・藤岡 一・草刈真一・河野元信・三上隆司・越智龍彦・塩崎修志・山中博之・島 昭二
Vegetarian Research Vol. 8, 7-10 (2007)

[収穫量]大阪府の2試験地共に散布区の粗玄米重ならびに精玄米重は、対照区(慣行区) より多かったが、愛知県の試験地では、両区の差異は少なかった。
[品質評価] @玄米:食味値は、愛知>大阪府堺市(大阪S)≒大阪府羽曳野市(大阪H)であったが、 3試験地とも、両区の間で明確な差異は認められなかった。 3試験地のアミロース、タンパク質、水分、脂肪酸度は、両区ともほぼ同じであった。 A炊飯米:食味値は、愛知≧大阪S>大阪Hであったが、3試験地とも、 両区の間で明確な差異は認められなかった。 3試験地の外観、硬さ、粘り、バランスも両区ともほぼ同じであった。

*大阪府立大学大学院生命環境科学研究科


食品群別摂食動向とカット青果物の認識調査

阿部一博*・塩崎修志・阿知波信夫・山中博之・島 昭二・木戸啓仁・岡井康二・草刈眞一
Vegetarian Research Vol. 8, 11-14 (2007)

食品群摂食動向:自身の食生活の中において増やすべき食品として、 第1に野菜、第2に果実、第3に海草類を挙げ、 減らすべき食品として、第1にスナック菓子、第2にインスタント食品を挙げた。 カット青果物の認識:134人中の109名(81%)がカット青果物を継続的に購入すると回答した。 カット青果物に対して、ポジティブな面として「身近に販売されている」、「簡便性が高い」、 「急場に間に合う」、「日常的食品」であるとの回答が多く、 一方ネガティブな面として「価格が高い」、「鮮度が低下している」、 「製造過程が不安である」との回答が多かった。

*大阪府立大学大学院生命環境科学研究科


Vegetarian Research Vol. 7 (2006)


日本における10歳代の卵乳菜食者の脂肪酸摂取(英文)

垣本 充*
Vegetarian Research Vol. 7, 1-8 (2006)

14〜16歳の乳卵菜食者109名と同年齢の普通食者82名に、 連続3日間の食物摂取状況調査を実施し、 食品群別摂取量、栄養摂取量、脂肪酸摂取量を比較した。 菜食群は普通食群よりも、卵類、獣鳥肉類、魚介類以外の食品群は全て高い摂取値を示した。 栄養摂取量に関して、菜食群はナイアシン以外は全て充足しており、 栄養のバランスが取れていた。 脂肪酸摂取量に関して、菜食群のP/S比( ratio of polyunsaturated fatty acid)は1.1〜1.2、 脂肪エネルギー比は30.9から33.4%、n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の比は、 普通群の約5に比べ、7であった。 イコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量は、 普通群の1/7〜1/10と少なく、反対にリノール酸の摂取量は多い傾向にあった。

*大阪女学院大学


スティック状カット野菜の嗜好性とそれに関与する要因に関する意識調査

阿部 一博*・阿知波 信夫・山中 博之・島 昭二・草刈 眞一
Vegetarian Research Vol. 7, 9-11 (2006)

若年層が抱くスティック状のカット野菜(ニンジン、キュウリ、セロリー)の 嗜好性について官能検査を行なった。最も好まれたのはキュウリであり、 ニンジンがそれに続き、セロリーが最も好まれなかった。 その理由は、それらの切断前の嗜好性ならびに普段の食生活での摂食経験と 使用頻度に由来することが明らかになった。

*大阪府立大学大学院生命環境科学研究科


農業生産における電解水の利用に関する事例紹介 (生産性・品質向上ならびに微生物的安全性確保)(英文)

阿知波 信夫*・土谷 洋・石渡 幸則・紙谷 喜則・片寄 政彦・ 齋藤 洋介・吉田 恭一郎・阿部 一博・草刈 眞一
Vegetarian Research Vol. 7, 13-17 (2006)

農業生産における電解水の利用効果を明らかにするために、 利用現場において聞き取り調査を行なった。 葉菜類と果菜類ならびに果実では、栽培中あるいは収穫物の出荷調製時に 電解水を利用すると生産性と品質が向上し、流通適性も高まった。

*ホシザキ電気株式会社中央研究所


Vegetarian Research Vol. 6 (2005)


菜食:その利点は何か?

岡 良和
Vegetarian Research Vol. 6, No.1, 1-6 (2005)


ベジタリアンのためのビタミンB12補助剤としての海苔(Porpyhra)の有用性 (英文)

西澤 一俊*・落合 光男・山田 毅・安斉 寛
Vegetarian Research Vol. 6, No.1, 7-10 (2005)

 日本では現在Porphra ezoensis (スサビノリ)がPorphra tennera(アサクサノリ) に換って大量に養殖されている。この海藻には、野菜などを含めた陸上の食用植物には 皆無のビタミンB12 が非常に多量に含まれている。 そこで厳密なグループを含めたビーガンベジタリアンに対するこのビタミンの補給源に スサビノリが役立つことが考えられる。 この海藻の粉末を適量に混ぜた飼料中のB12はラットの肝臓に極めて容易に蓄積され、 しかも血液などへの異常な蓄積のないことが判明し、 スサビノリ中のB12 はベジタリアンのB12 の補給に適していることが解った。

*東京教育大学名誉教授


動物性食品摂取状況に基づくベジタリアン調査 −II.近畿地区大学生兵庫県北部の中高年女性における調査−

高井 明徳・山中 博之・垣本 充
Vegetarian Research Vol. 6, No.1, 11-14 (2005)

我が国におけるベジタリアン人口および菜食に関わる食生活状況を知る目的で、 動物性食品の摂取状況に関する調査を、兵庫県北部の中高年女性114名を対象に 2003年10月にアンケート調査を行った。 調査対象者の年齢は63.2±9.6歳で、40-80歳代の間に分布していた。 今回の結果より、動物性食品を全く食べないビーガン(ピュア・ベジタリアン)、 卵・乳製品も食べるラクト・オボ・ベジタリアンは、いずれも0%であったが、 畜肉を食べないノン・ミート・イーターについては0.9%が該当した。 たまにしか食べないものを基本的にベジタリアンと考えると、 ビーガンタイプ、ラクト・オボ・ベジタリアンタイプ、ノン・ミート・イータータイプが、 それぞれ、0%、3.5%、10.5%であった。 畜肉など動物性食品を食べない理由は圧倒的に健康(70.0%)であった。 今回の結果から、ベジタリアンは少ないがベジタリアンライクな人は かなりいることが明らかにされた。 これらの者の内、意識的に動物性食品を食べないようにしている人もかなりいたが、 ベジタリアンを意識しているわけではなく、 また、動物性食品を特に食べないようにしているわけでもなく、 結果的にベジタリアンライクな状態になっているものも少なくなかった。

*大阪信愛女学院短期大学


Vegetarian Research Vol. 5 (2004)


最新ベジタリアン栄養学―第4回国際ベジタリアン栄養会議からの報告

岡 良和
Vegetarian Research Vol. 5, No.1, 1-7 (2004)

第4回国際ベジタリアン栄養会議は2002年4月米国ロマリンダ大学で開催され、 その概要および印象記は既に桜井によって本誌に紹介されている。 今回その発表論文の全容がThe American Journal of Clinical Nutritionに掲載されたので、 その内容を抄録によって紹介したい。
発表論文は序文のほか、1)栄養、食物、および食事様式(5報)、 2)ベジタリアンに関する疫学的研究(3報)、 3)ベジタリアン食と特定の慢性病のリスク(9報)、 4)栄養的充足度と公衆衛生の問題(5報)、 5)ベジタリアン食の環境的影響力(3報)の5つのテーマに分類された 合計25の報文から成っている。以下そのテーマ別に内容を要約する。

Fourth International Congress on Vegetarian Nutrition
Proceedings of a symposium held in Loma Linda, CA, April 8-11, 2002
The American Journal of Clinical Nutrition Volume 78, Number 3(S), 501S-668S (2003)

序文 (Sabate, Rajaram : ロマリンダ大)

1)栄養、食物、および食事様式
2)ベジタリアンに関する疫学的研究
3)ベジタリアン食と特定の慢性病のリスク
4)栄養的充足度と公衆衛生の問題
5)ベジタリアン食の環境的影響力


最新ベジタリアン栄養学−国際ベジタリアンセミナー2003からの報告

仲本 桂子*
Vegetarian Research Vol. 5, No.1, 9-16 (2004)

近年、狂牛病や鳥インフルエンザなどで相次ぐ動物の病気の影響もあってか、 ベジタリアンに対する関心が高くなっている。 その一方で、ベジタリアンに対する誤解も少なくない。 そのような時代の流れの中、2003年11月2日・3日に、 三育フーズ株式会社とセブンスデー・アドベンチスト(SDA)教会健康部の主催により、 国内外からベジタリアン研究に詳しい講師8名を招いてセミナーが持たれた。 わずか2日間のセミナーではあったが19講義もあり、かなり密度の濃いセミナーとなった。 セミナーの内容はベジタリアンに関する知識全てを網羅するほどのもので、 日本における菜食の講演、ベジタリアン食の危険性はあるが現在ではベジタリアン食による利点が その危険性の可能性をはるかに上まわるという講演から始まり、 ベジタリアンで話題となる食材、食事法、病気との関係についての講演がなされた。 約100名の出席者があり、今後もこのようなセミナーを行って欲しいという 要望がたくさんあったことから、 今後、ベジタリアンセミナーのような機会を設ける事が必要であると痛感した。

International Vegetarian Seminar 2003 held in Tokyo, Japan, November 2-3, 2003



*三育フーズ株式会社


日本におけるベジタリアン人口とタイプ (英文)

垣本 充*
Vegetarian Research Vol. 5, No.1, 17-19 (2004)

我が国におけるベジタリアン人口および菜食に関わる食生活状況を知る目的での 調査および代表的な菜食の3タイプについて言及した。 調査は近畿地区の大学生533名を対象に動物性食品の摂取について調べることにより、 ベジタリアン人口や類型を割り出した。その結果、純粋菜食タイプは0.2%、 卵乳菜食タイプは4.3%、魚菜食タイプは1.7%、肉食忌避タイプ(広義のベジタリアン と考えられる)は9.2%であり、概数で言えば10%の大学生が菜食の傾向にあった。 肉食を避ける理由は、健康35.1%、減量29.7%、嫌い21.6%、環境問題13.5%、狂牛病(BSE) 5.4%であった。また、仏教食、玄米菜食、卵乳菜食など現在我が国における 三つの菜食についても報告した。

*大阪女学院大学


Vegetarian Research Vol. 4 (2003)


日本人の中高年菜食者における植物性たんぱく質摂取とインスリンについて

土田 満*・藤本 エドワード・水上 治・富永 国比古・渡辺 能行・鈴木 恵子・ 大竹 芳子・宮崎 恭一・稲葉 裕・黒沢 美智子・井原 一成・中村 健一
Vegetarian Research Vol. 4, No.1, 1-8.

豊富な植物性たんぱく質摂取と健康の関係を明らかにする目的で、日本人の50歳、 60歳代の中高年の菜食者男女10名(菜食群)と性、年齢をマッチさせた平均的な 食事をする一般健常者(対照群)を対象とし、植物性たんぱく質摂取と血漿アミノ酸、 そしてインスリン等の関係を中心に検討を行った。その結果、肉、魚、豆等の たんぱく質源食品の摂取頻度、および炭水化物、食物繊維の摂取量において 両群に有意差が認められた。たんぱく質は質的に動物性たんぱく質と 植物性たんぱく質の摂取比、およびアミノ酸のリジン/アルギニン比が 菜食群において有意に低かった。また、血漿中のアミノ酸分画のリジン/アルギニン比、 そしてインスリン濃度が菜食群において有意に低く、グルカゴン濃度は高めの傾向にあった。 総コレステロール濃度も有意に低かった。体脂肪はBMI、体脂肪率、ウエスト囲、 ウエスト/ヒップ比が菜食群で対照群より低めであった。以上から、菜食における豊富な 植物性たんぱく質の摂取が血漿アミノ酸を介して血清インスリン濃度に関与し、 それが血糖値、血清総コレステロ−ル濃度、体脂肪に関係している一連の可能性が 示唆された。日本の世代の中では健康的な食生活をしている50歳代、60歳代でも菜食者と 比較するとインスリンの分泌に強い影響を受けていることが注目される。

*愛知みずほ大学


玄米菜食者女子の栄養摂取と貧血について

渡部 由美*・鈴木 英鷹
Vegetarian Research Vol. 4, No.1, 9-15 (2003)

動物性食品を全く食べない菜食者は鉄欠乏性貧血あるいは巨赤芽球性貧血の発症や 危険性がある。そこで、玄米菜食者女子18名(平均年齢43.8±14.5歳)を対象に、 食物摂取と血液性状を調べた。 動物性食品を全く食べない菜食者は7名、その他は、できるだけ食べないように している者であった。 国民栄養調査における40歳代女子の食品群別摂取量の平均値と比べると、菜食者は、 穀類、種実類、海草類の摂取が有意に高かった。しかし、豆類、野菜類、果実類は差がなかった。 鉄、ビタミンB1 、ナイアシン、食物繊維は所要量の80%以上充足していた。 しかし、エネルギー、タンパク質、その他の栄養素は顕著に低かった。 菜食者の44%がタンパク質必要量(0.7g/kg)を摂取していなかった。 BMIの平均値は19.5±3.3 で、18.5以下の者が33%であった。 33%の者が12g/dl未満の低いヘモグロビン濃度を示していた。ヘモグロビン、 ヘマトクリット、血清鉄、MCV、MCH, 赤血球数、TIBCの値より、2名が鉄欠乏性貧血と診断できた。 しかし、鉄欠乏性貧血の頻度は非菜食者と同じ程度であった。 また、1名が大球性貧血であったが、明白な巨赤芽球性貧血は見られなかった。

*大阪信愛女学院短期大学


動物性食品摂取状況に基づくベジタリアン調査−I.近畿地区大学生における調査結果−

高井 明徳*・山中 博之・三戸 秀樹・垣本 充
Vegetarian Research Vol. 4, No.1, 17-22 (2003)

我が国におけるベジタリアン人口および菜食に関わる食生活状況を知る目的で、 動物性食品の摂取状況に関する調査を、近畿地区の男女大学生533名を対象に行った。 今回の結果より、動物性食品を全く食べないビーガン(ピュア・ベジタリアン)、 卵・乳製品も食べるラクト・オボ・ベジタリアンは、いずれも0%であったが、 畜肉を食べないノン・ミート・イーターについては0.9%が該当した。 たまにしか食べないものも基本的になベジタリアンと考えると、ビーガンタイプ、 ラクト・オボ・ベジタリアンタイプ、ノン・ミート・イータータイプが、 それぞれ、0.2%、4.3%、9.2%であった。畜肉など動物性食品を食べない理由の多くは 嫌いであり、次いで健康であった。今回の結果から、ベジタリアンは少ないが ベジタリアンライクな人はかなりいることが明らかにされた。しかし、 これらの者はベジタリアンを意識しているわけではなく、また、動物性食品を特に 食べないようにしているわけでもなく、様々な理由で結果的にベジタリアンライクな 状態になっていると考えられた。

*大阪信愛女学院短期大学


Vegetarian Research Vol. 3 (2002)


日本に於ける菜食の三潮流(英文)

垣本 充*
Vegetarian Research Vol. 3, No. 1, 5-6 (2002)

我が国における菜食は、大きく分けて三つの潮流に分類できる。 その一つは7世紀の天武天皇の肉食禁止令による仏教食、精進食である。 これは禅宗の流れを汲み、日本の食文化の根幹をなす懐石料理へと発展を遂げる。 二つ目は19世紀後半より始められた正食(マクロビオティック)と称される玄米菜食であり、 中国の陰陽説などと関連を持つ。 さらに三つ目は第二次世界大戦後に米国より伝えられたSDA型(乳卵菜食)であり、 これは栄養的にバランスの良いものとして科学的に証明されている。 1993年に三潮流をはじめ種々のタイプの菜食者が集い、 NPO法人日本ベジタリアン協会が発足し、健康、地球環境保全、アニマルライツ、 途上国援助などを目標に掲げ、市民団体として国の内外で活動を続けている。

*大阪女学院短期大学


Vegetarian Research Vol. 2 (2001)


生活習慣病予防食としての海藻

西澤 一俊*
Vegetarian Research Vol. 2, No. 1, 1-12 (2001)

日本の食生活の欧米化は著しい。従って動物および植物起源の素材が一般にかなり行き渡り、 平均寿命は世界の最高レベルになってきた。一時は陸上の動物起源が過剰ではないかともいわれた。 その状況につき、政府筋の正式な発表を見ると、死亡率は心臓関係の病気とか卒中などの脳に関する 病気もガンの死亡率に迫り、糖尿病が原因の死亡者数も上昇してきた。これらの死亡率の高い病気は 食生活と深く関係している。端的に言えばもちろん個人の遺伝子に起因する因子もあるが、 主として食生活に依存すると思われる。ここ10年間の日本の食生活では、欧米式に肉類、 ミルクなども増えたが、良いことに野菜の消費量は米の消費量とは全く逆の増加率となった。 しかし、次に述べる理由から遺憾なことに、大きな枠では野菜と同類のはずの海藻の消費量は 1975年〜1997年の12年間にわずか1.06倍にしか増えていないのは誠に残念である。 そもそも食用海藻には、多種多様のミネラルが豊富にあり、そのまま食べると有害になる 物質を持つものもあるが、一般食用海藻には生活習慣病を予防するような水溶性の酸性多糖で、 野菜などにはほとんどみられない酸性複合多糖を含むほかに予防効果のある低分子物質を含む ものが多い。例えば、その多くは高脂血症とか抗ガン性の免疫効果を高めるとか、高血圧症、 抗血糖値効果をもち、また生体反応で発生する有害な超酸化物除去などの生理活惟のある物質の 存在が主に動物実験により解っている。また食用海藻のうち海苔などには一般の野菜などに全く 発見されないビタミンB12、その他のEPAやそれに準ずるn-3系の脂肪酸、タウリンなどがかなりの 量含まれており、コリンや含硫黄糖脂質なども一般野菜よりも多い。その意味では海苔は ベジタリアンなどにとっては格好の植物性食品である。最近は一部の食用海藻タンパク質から 抗高血圧に有効なオリゴペプチドなども分離されている。

*東京教育大学名誉教授


食肉・魚と環境問題

松尾 一廣*
Vegetarian Research Vol. 2, No. 1, 13-21 (2001)

地球環境問題への関心は高まっているものの、牛肉生産や漁業については、日本ではまだあまり 注意を払う人が少ない。この小論では畜産や漁業を生産と消費から見ながら、地球上で (例えば熱帯雨林や生態系の変化で)何が起こっているか検証してみた。

*大阪信愛女学院短期大学


日本人と西洋人のベジタリアニズムに関する意識調査(英文)

垣本 充*・渡部 由美・佐久 正秀
Vegetarian Research Vol. 2, No. 1, 23-26 (2001)

東洋と西洋の食文化の違いを比較するため、日本人大学生と日本に在住する西洋人に アンケート調査を行った。「ベジタリアンについてどのようなことを知っていますか」 という問いに対して、86.2%の西洋人が「畜肉を食べない」と答え、66%の日本人は 「野菜や果物たけを食べる」と回答した。ベジタリアンになる理由について、 60%を越える西洋人が「アニマル・ライト」を挙げたが、日本人では20%に満たなかった。 「ベジタリアンと関係のある宗教は何だと思いますか」という問いに対して、 57.1%の西洋人が仏教を選んだが、イスラム教やヒンズー教を選ぶ日本人が それぞれ30%を越えた。このように、西洋人と日本人では菜食主義についての知識や 意識に統計的に優位差が認められた。

*大阪信愛女学院短期大学


Vegetarian Research Vol. 1 (2000)


ベジタリアン概説

垣本 充*
Vegetarian Research Vol. 1, No. 1, 3-10 (2000)

ベジタリアンの世界史。すなわち、起源や近代ベジタリアニズム運動やIVUの設立。 ベジタリアンの類型、栄養、健康および環境や食糧問題に関係するベジタリアンの ライフスタイルなどを解説した。

*大阪信愛女学院短期大学


疫学的ベジタリアン研究の歴史的展開

山形謙二*
Vegetarian Research Vol. 1, No. 1, 11-18 (2000)

過去数十年間の疫学的研究により、ベンジタリアン食と運動が健康によいこと、 そして喫煙と動物性脂肪の多い食品は病気を悪化させることが明らかにされてきた。 これらの多くの資料はセブンスデー・アドベンチストの健康調査によるものであった。 これらの研究に基づいて、「米国人の食事ガイドライン:2000年版」とか 「健康日本21」という公的ガイドラインは、野菜と果実の豊富な食物を摂取する ように強調している。

*神戸アドベンチスト病院


精神医学と菜食−精神科治療における菜食の試み−

鈴木 英鷹*
Vegetarian Research Vol. 1, No. 1, 19-24 (2000)

大多数の人々は、精神疾患の治療は薬物療法が第1選択であると考えている。 そして食事療法は身体疾患の治療に有効であっても、精神疾患には無効であると 考えている。実際、臨床においても、うつ病の治療に断食が試みられることはあるが、 一般には精神疾患の治療に食事療法がなされることは殆どない。 ましてや精神疾患の治療に菜食がなされることは皆無である。
 著者は、従来より、うつ病や不安神経症の治療に、穀物を中心とする菜食を応用し、 治療効果が効果あることを経験している。今回、29歳の男性で、 強い不安を伴ったうつ病の症例を通して、うつ病や神経症の治療に菜食が 効果がある理由を、主に東洋医学の立場から解説する。

*大阪体育大学短期大学部


アニマルライトとベジタリアニズム−動物法制定へ向けての予備的考察として−

小田桐忍*
Vegetarian Research Vol. 1, No. 1, 25-33 (2000)

本稿は、筆者の標榜する「生命の尊厳」に基づく憲法理論の見地から、アニマルライト とベジタリアニズムの関連性について考察することを目的とする。最初に、歴史的起源と 目される、ジェレミー・ベンサムとヘンリー・ソールトの哲学を紹介する。第二に、20世 紀後半に提唱されたピーター・シンガーの「動物の解放」とトム・レーガンの「動物の権 利」について、その要点を解説する。第三に、それらが今日の理論的・実践的情況に及ぼ した影響として、フェミニズム理論とエコロジー運動を概観する。そして最後に、アニマ ルライトを実現する端的な方法としてのベジタリアニズムを来るべき新世紀の一つのライ フスタイルとして提案する。

*上越教育大学学校教育学部